個展「ふ・ふ・ふーど 愛しの香港おやつ」の様子・番外編

なぜ「香港おやつ」?

番外編。

読んでくださったかたもいらっしゃると思いますが、

ギャラリー入口を入って右側に、この展示に対する思いを書いておきました。

 

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展示によせて

いつか香港にまつわる展示ができればいいなと思っていました。

1989年、父の仕事の都合で、わが家は愛知県の山奥から
国際都市 香港(当時はイギリス領)へ渡ることに。
小学4年生の私は、それから卒業までの3年間を香港で過ごしました。

香港にはさまざまな民族、文化、宗教の人たちがひしめき合って暮らしています。
たくさんの言語が飛び交っていて、それぞれの考えや事情がある。
それはあたりまえのことで、自分はその中に「日本人」として存在してるんだ、
ということを、暮らしの中で徐々に意識していった気がします。

困ったことや驚くこともあったけれど、
環境に慣れてしまえばとても楽しく(守ってくれていた両親のおかげです)、
香港での経験は私にとってかけがえのないものとなりました。
思い出に触れるたびによみがえってくるのは
何気ない食べものの味やにおいだったりして、
よくおやつに食べていたエッグタルトやレモンティーの味は
やっぱり忘れられません。

そんな香港おやつについて思いをめぐらせていると、
たしかあんなものもこんなものもあったなぁと気になりだし、
調べてみると昔ながらのおやつがいろいろあることがわかってきました。
流行の香港スイーツというよりも、昔から地元の人たちに愛されている食べもの。
それらを描いて残したいと思うようになりました。

そして、今年3月。おやつの味を確かめるために香港へ行ってきました。
実ははじめて行くお店も多く、知っているようで知らなかったことだらけ。
あらためて香港の食の奥深さを感じた旅でした。
乾物街にあるレトロな喫茶店での朝ごはんが、個人的におすすめです。
(情報提供をしてくださった皆さん、ありがとうございました!)

今回の展示を通して、香港に興味を持っていただけたら
こんなにうれしいことはありません。

※尚、本展での“おやつ”の解釈は、「小腹がすいたときに軽く食べるもの(甘・辛 問わず)」
という作家独自の基準にもとづいています。

 

2016_ktmr_hk_20

(上の絵は、1990年頃、小学校の写生大会で描いた香港仔(アバディーン)の絵です。
実家に眠っていましたが、ついに日の目を見ました!)

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そうなのです。

とても個人的なことではあるのですが、自分のアイデンティティーを考えたときに、

やっぱり香港での経験が色濃く影響していると思うんですね。

楽しい面だけじゃなくて、

時には自分が外国人ゆえに差別を受けたり、他人のそういう場面を見たり、

理不尽な思いをしたりすることもありました。

いま思えばですけれど、子どもながらにそんなことを経験して、

良い意味で、「そんな人もいるよね、そんなこともあるよね、人間いろいろだね」という

他人を受け入れる態勢ができたのかな、なんて思います。

それから、自分の伝えたいことがあれば、なんとかして方法を見つけて相手に伝える!

というしぶとさも、そうかもしれません。

 

お土産

ご来場くださったお客さんにお土産としてお渡ししていたのが

こちらのカタログ(A3サイズを四つ折り)です。

2016_ktmr_h_11

 

全作品とキャプションを掲載。

急きょ作ったものだったのですが、お渡しした皆さんが喜んでくださってうれしかったです。

 

 

長々と個展について書いてきました。お読みくださりありがとうございます。

いつか香港でも個展をしてみたいし、

日本だけでなく海外でもお仕事ができたらいいなと思っています。

そのために日々アンテナ張って感度良く、楽しく絵を描いていこうと思いますので、

これからもよろしくお願いいたします*

 

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